パチンコ店営業問題その3『それでも通い続けるお客さん』

前回はパチンコ店は営業し続けさえすれば儲かるのかということを掲載してきました。

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今回はそんなパチンコ店を取り巻く真の問題点を考察していきます。

営業再開したパチンコ店

大盛況なパチンコ店

緊急事態宣言が段階解除の局面に入りました。先行して13都道府県以外、次いで近畿2府1県、そして25日付で残り1都1道三県が解除される予定になりました。
とはいっても政府が経済の停滞と感染の蔓延を天秤にかけて、号令を掛けただけで別にコロナウイルスは駆逐されたわけでもなければ特効薬が出来たわけでもありません。

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それはお店側はわかっていると言うか、そうせざるを得ないのでしょう厳戒態勢で望んではいるようです。入出場口を制限し、入り口に店員を配置して消毒の徹底と検温。
並ぶ遊技台は1台ずつ交互に電源が切って稼働数を半分にして、密を作らないよう心がけているようです。
防護服を着ていない事を除けばちょっとした隔離病棟の様相を呈しています、そう、まだ宣言上だけのお話でとてもじゃないですが人混みが安全な場所になったわけでもなんでもないんです。

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ではそんな中、客入りはというと大盛況です。大方の予想通りというべきか、自粛を約1ヶ月半続けさせられた鬱憤晴らしということなのか、500台クラスで駐車可能な立体駐車場がほぼ満杯になる盛況ぶり、これはちょっと異様にすら感じます。

還元日と回収日

パチンコ店で勤務した経験から言えば、パチンコ店には総じて還元日と回収日が存在します。言葉そのままで玉の出し具合を多めにするのが還元日、その逆が回収日。ギャンブルは総じて『出ること』より、『出るように見える』のが大事、実際に出ているよりも如何に出ているように見せられるかが重要なのです。

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最近の台は玉の出が悪い『低設定』でもたまに爆発している(ように見せる)事ができる台も多く、還元日設定は必要ない分ある意味今のほうが(悪い意味で)シンプルかもしれません。
さて、行きたくても行けなかったお客さん側もそうかもしれませんが、お客さん以上に待ち焦がれていたのは当然お店側でしょう。開けないと固定費を垂れ流すだけになってしまうお店は一日でも早い開店を待ち焦がれていた事は想像に難くありません。
では、そんなお店は待ち焦がれていたお客さんたちに感謝の気持を込めて大還元セールとかしてくれるんでしょうか。答えはNOです。

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1ヶ月半の強制された無収入状態は一日も早く取り戻す必要があります。つまり今、危険な思いをしてまで来てくれたお客さんに感謝の気持を示す余裕なんて1mmもないのです。

それでも遊戯に興じる理由

個人的には、コロナウイルス感染の危険を犯してパチンコ店に行くこと自体に善も悪もないと考えます。というより、緊急事態宣言も解除された今止める大義名分はなにもないのです。
ただ、収支の面では遊戯に興じるメリットは0と言っていいかもしれません。というか収支の面で行って良いタイミングは無いと行って良いでしょう。完全に親のコントロール下にある賭場において、子が参加するメリットなんてないんです。

真の問題点が浮き彫りになったコロナ自粛

パチンコをしない人にとってこの状況下で無理矢理にでもお店に通う人の姿は異様だったんではないでしょうか。普段は趣味=パチンコと言うだけでしかありませんでした。ですが、感染=死の危険性があるパチンコを打ちに行く、それでいて(個人レベルの戦績は置いといて)負けてお金取られて帰ってくるという異常な行動を取る人たちは何を考えているのかわからない、それが率直な意見ではないでしょうか。
その答えは病気だからということが挙げられます。

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パチンコ依存症ギャンブル依存症)という言葉は聞いたことがありませんか。勝ち負けにではなく、ギャンブルに興じている事自体にとらわれてしまい、その状態から抜け出すことが出来ないのがギャンブル依存症で、WHOでも病気として正式に認定されています。以下WHOよりギャンブル依存症の特徴を引用

  • ギャンブルにのめり込む
  • 興奮を求めて掛金が増えていく
  • ギャンブルを減らそう、やめようとしてもうまくいかない
  • ギャンブルをしないと落ち着かない
  • 負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
  • ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする 

中毒症状によるもののため、自力でその状態から抜け出すことは難しく、医療機関による専門的な治療によって治す厄介な病気とも言われています。
危険なのに営業し続けているパチンコ店なんていうものは問題の表層的な事でしかありません。本来危険な場所で、しかもお金がなくなるだけの場所なら誰もそんなところに行きません。
危険でも勝てなくても頑なにお店に通う、それがギャンブル依存症。真の問題点はそこにあります。

ギャンブル依存症はパチンコが一番厄介

ギャンブル依存症は何もパチンコに限った話ではなく、競馬にも競艇にも依存症と思われる人は日本には大勢いるんだとか。でも競馬・競艇とパチンコでは還元率とかその環境が全く違います。

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競馬・競艇などは場の開催が定期的なもので、当然ですが開催している日にしか出来ません。本人がどれだけ望んでも馬が走っていない競馬場でギャンブルは出来ないのです。対してパチンコ店はどうでしょう。昔はまだ定休日や盆・暮れ正月など店休日を設けるお店もありましたが、今ではすっかり1年365日年中無休
朝から深夜に至るまで開いています。逆にギャンブルしたい側は深夜に突然目が覚めない限りいつでもギャンブルが可能というわけです。逆にギャンブル依存症の治療という意味では最も厄介なものと言えます。

住宅ローンの借り換えはモゲチェック

日本の依存症に対する対応

一言に依存症といってもその種類は色々とあります。ギャンブル、たばこ、アルコール、インターネットといった直接法律に触れないものから薬物や窃盗症(万引き依存症)という明確に法律で禁止されたものまで様々です。
誰かに直接被害を与える万引き依存症などはともかくとして、残りのものは直接誰かに迷惑をかけるものではありません。ですが、そこに法律で禁止されたものとされていないものが混在するのはなぜでしょう。

薬物は昔も今も暴力団の利権の温床

暴対法が強化され昨今の暴力団のしのぎ、つまり生きていく糧はどんどん少なくなっているそうですが、そんな中でも大事なそして一番稼ぎの良い手法はダントツで薬物取引です。かさばらない数グラムの粉末が札束と等価交換出来、しかも中毒から抜け出せないお客さんからのニーズが尽きることはない訳で、格好のシノギ、大事な暴力団の資金源になっています。
その為、麻薬は徹底的に撲滅すべく法律で禁止され、使用は勿論、所持、売買のすべてが罰則つきで取締の対象とされています。

タバコも酒もギャンブルも常習性は変わらない

では、たばこやお酒はどうでしょうか。ニコチン依存症、アルコール依存症ギャンブル依存症とれっきとした病気で、治療を必要とされるものです。ですが、年齢制限はあるものの法律は禁止していません、なぜでしょうか。
毒性の強弱もありますが依存性の強さは同じようなもの。その違いは税金にあります。
一番顕著なのはタバコでしょう、タバコ一箱に占める税率が高い事は何となくご存知の通りだと思いますが、その負担率は実に6割。そしてそれは更に上昇する傾向にあります。

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JTホームページより

同様に酒税ではビール350ml当たり77円、日本酒一升には216円もの酒税が課されています。これは消費税とは別に徴収されるものです。
つまり、これら合法の依存症を発症するものは国や地方の立派な、そして大事な財源なんです。
ではギャンブルはどうでしょう。今、国や立候補している地方自治体が誘致に躍起なIR。観光の目玉とか言われていますが、その実本命はその賭場で消費されるマネーです。つまり巡り巡って国や地方に流れる税金を目当てとしているんです。
そんな国や地方自治体にとって夢のような構想IR誘致計画ですが、最大の障壁となっているのがギャンブル依存症者の増加とこれらの人たちの生活破綻など。

パチンコ店営業問題における真の問題点

パチンコ店営業問題は論点がずれている

流石に最近は見なくなりましたが、各方面からのパチンコ店たたきはものすごいものがありました。政府・地方の首長は休業に応じない店は名指しで批判し、マスコミも擁護しているように見せかけて、要請に従わないパチンコ店を叩くばかりで、そんな危険な中でもパチンコ店に殺到する人たちの異常性なんて事には殆ど触れられることはありませんでした。そこに一つの答えがあります。

悪者は必要、でもそれは要請に従わないパチンコ店にとどめておきたい

間違ってもギャンブル依存症になった人たちは命の危険にさらされても辞めることが出来ないなんて方向に話が流れてしまってはいけないんです。

依存症への対応

一部を見れば全体のスタンスがわかります。
まずパチンコですが、トイレなどにギャンブル依存症に関する医療機関、いわゆるパチンコ外来ですね、受診を促すポスターが貼られています。

一般財団法人ギャンブル依存症予防回復支援センター

タバコも同様にパッケージにニコチンによる癌発症率に関するテロップなどが貼り付けられています。お酒は日本では楽しみの範疇とされているようで、特にこういった健康被害に関する張り紙などはありません。

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他にもパチンコの射幸心の抑制を目的にして、大当たり時の出玉に上限を設けて勝てても勝ちすぎないようにしたり、タバコ税をちょっとずつ引き上げて負担を重くすることで自然やめるように仕向けたり。効果がるように思えますか。
当然でしょう、止めさせる気がないんですから。
本音は依存症者からずっと税収を得たい、けれど手を打たないわけに行かない、そんなスタンスが透けて見えることと思います。

まとめ

長くなりましたが以上です。

  • 第1回ではパチンコ店が休業要請に応じない理由
  • 第2回ではパチンコ店の収益の仕組み

を掲載してきました。

第3回は危険でも負けてもなお通い続けるお客さんについて。

目の前に迫るパチンコ店での新型コロナ集団感染はどうあっても防がなければならないものとして、多少強引な手段を用いた自治体の首長たちの意見もわかります。ですが、政府やマスコミなど含め、誰一人として『こんな異常な状況下でも依存症の人たちはパチンコ店に通い続ける。依存症とは恐ろしいものだ』とは一言も言いません。
政府やマスコミの人たちにはあのパチンコ店に殺到する人たちが異様だとも異常だとも思わなかったんでしょうか。僕にとってその点に異様さを感じない、もしくは微塵も取り上げない、そんな人たちこそ異様に見えました。