ややこしいコロナ対策を順番に解説『特別定額給付金』編

お題「#おうち時間

コロナで自粛して持て余した時間について、本業でよく聞かれるコロナ対策助成金・給付金、融資制度なんかについて解説していきます。

はじめに

助成金補助金・給付金といっても音頭をとっている国や地方自治体によって様々、その種類は多岐にわたっていて、しかもその適用可否は判定自体が難しく、もうもはや受け取らせる気ないやろってくらい煩雑です。

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地方団体の助成金制度などは、当然ですが地方自治体(都道府県・市区町村)の数だけ存在し、もはやその全てを理解している人なんておそらくこの世に存在しないでしょう。当然僕も関わりのある自治体の分しか(関わりのある自治体すら怪しいけど)理解していないし、他の市区町村民にとっては何の役にも立たない情報になるので、ここでは国が主体となっている制度を中心に解説していきます。
※多分一回では終わりません。

特別定額給付金

はい、もうこの時点で何のことなのかちんぷんかんぷんですよね、正解はマスコミがこぞって取り上げている10万円現金給付の件を指します。お役所のネーミングセンスって全部こんな感じですよね、本人は格好いいのつけたつもりでも何のことか全く伝わってこない、全員に10万円配っちゃうよキャンペーンとかのほうがずっとわかりやすいと思うんですが。
ま、ネーミングはさておきこの制度概要について説明していきます。

誰がもらえるの?

みんなもらえます

これは文字通り日本にいる人全員もらえます。年齢とか年収の多い少ないとか関係ありません。正確に言うと2020年4月27日時点、住民基本台帳に載っている人全員というまたよくわからない表現が使われていますが、要するに日本で普通に暮らす人ならよっぽど自分の出自が曖昧で住所不定など特殊な人を除いてとにかくもらえると考えて良いでしょう。

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世帯主が代表してもらいます

国も対象に制限をかけず全員としたものの、ほんとに全員分の個人情報を把握して現金振り込んで、なんて事務仕事はやってられないのは明らかでしょう。なので、世帯主が代表して受け取るということが制度として決められています。
世帯主が誰かわからないという方は住民票を見るとわかりますが、大抵その家の家長の名前が連ねてあります。

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フジテレビHPより

磯野家でいうとタマ以外はフグタ家も含めておそらく同世帯ということになるので、世帯主の波平さんが、波平、フネ、マスオ、サザエ、カツオ、ワカメ、タラの計7人分✕10万円=70万円の給付を代表して受けることになります。
普段お父さんをお小遣い制で虐げている自覚のあるご家庭は振込口座の指定をくれぐれも慎重に行いましょう

どうやってもらうの?

マイナンバーカード保有者のみオンライン申請が出来るものの順次送られてくる予定の申請書を記入して返送する必要があります。

申請書見本

これはあくまで見本で送られてくるものは若干違う可能性もありますし、フライングして記入して郵送しても恐らく受理してもらえませんので、おとなしく届くのを待ちましょう。

いつもらえるの?

これは申請書が届き、返送次第逐次としか出ていません。
管轄官庁の総務省からのお達しは以下の3点。

  • 申請受付開始日は各市区町村が決める
  • 市町村ができるだけ早く支給日を決める
  • 申請期限は申請受付開始日から3ヶ月以内

要は市区町村はよ頑張れってことになっているようです。

税金ってかかるの?

配っといて税金ってなんやねん?!

って思う方もいるかもしれません。ですが、個人と違って法人などでは結構当たり前の話です。で、肝心の今回の10万円に税金はかかりません、安心して散財しましょう。
まあ当然と思う方が大半かもしれませんが、これは制度の主旨から読み解く話になります。今回この10万円を配る主旨として以下のように説明しています。

新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。

まあ、ふーん、って言う人が大半かもしれませんが、重要なのは最後『家計への支援を行う。』とされている点。税金は本来投資も含め、事業活動とか『儲けたお金』に課せられるべきもので、これは生活の支援が目的でお金を配るのだから税金はかかりませんよ、と理解して初めて非課税という結論が見えてきます。

制度改変は改善?改悪?

ニュースを見る方ならまずコロナ感染者数報道にうんざりしていると思いますが、当初この法案ってこんな感じじゃなかったのを覚えていませんか。世帯主が住民税非課税レベルまで落ち込んだ世帯を対象に30万円を給付、こんな感じだったはずです。住民税非課税レベルまで、サラリーマンなら年収100万円未満を指します。わかりにくい上、そんな事になっている普通の家庭は30万円じゃ足りません。
しかも『世帯主が』減少のため、奥様がメルカリでしこたま儲けていても関係なしなど割と判別方法や事務処理、不正受給の防止など問題は山積みでした。
なので、受給資格がシンプルになった点は改善と言えるものの、どちらかといえば改変は必然だったと考えるのが妥当なところでしょう。今のシステムなら実務は市区町村が担う事となっていたので出来るかこんなもん?!と、さぞ担当者は途方に暮れていた事でしょう。

なんで辞退するの?

与党たる自民党が辞退を表明していますが、なんでそんな事をするんでしょう。普段あれだけお金が好きなのに。答えはアピールにほかならないと考えます。上述の通りそもそもの制度主旨は『家計の支援』が目的。
だから、歳入が減らない議員、つまり政治家は良い言い方をすればもっと困っている人に配りたい、悪い言い方をすれば僕たち収入多いから生活困っていないと言っているのと同義といえます。でもこれってそもそもおかしいんです
確かに政治家に限らずクビもない、収入減もない公務員全員に言えることで、実際そんな人にまで配るのはおかしい、そんな意見も多く聞こえました。
まず、その理論でいけば将来的なリストラとかそういう事は置いといて、年収減っていないサラリーマンも対象になります。居住用マンションの所有者とか、3階建ての年金受給者とか、大株主とか、ケースはいっぱいあります。
受け取るべきでない人の選別、そんな事を言い出せばキリがないんです。
そしてそもそもこんな議論が巻き起こる根っこの問題は安泰な地位にいる人へのやっかみとかそういうのもあると思いますが、制度主旨の正しい理解・周知、つまり10万円配ります、ばかりをアピールして『なんで配るのか』をしっかりと説明していない事にあります。
辞退する議員たちが気にするのは一重に自分たちへの風当たりだと思いますが、自分たちが生活困っていないから辞退する。ならなんでそもそも所得制限を取り払って一律10万円給付にしたのかの説明が付きません。なので、自己アピールに走るあまり、自分たちの本業たる成立させた法案と矛盾した行動をとっていると言わざるを得ないということになるんです。
自分たちで決めた自分たちももらえる制度なんやし、堂々と受給してコロナ自粛を守りながらジャパ○ットでこんなもの購入したぜ!とか胸張って言えるくらいの度量を持ってほしいと思います。

まとめ

寸評

当初全3タイトルをまとめて一個のブログとする予定でしたが、長くなったのでここらで一旦シメです。
色々言われている特別定額給付金ですが、一言で言えば『画期的な制度』と考えます。
冒頭でも触れた通り、国や地方団体って本音を言えば、1円でもお金を配りたくないんです。国と会社は違うものですが考える事は同じです。大事なのは母体たる器、それを護るために税金は取るけれど配るなんてもってのほか。国の制度は全部そういうもの。
それが今回は紆余曲折あったものの、通常から考えればびっくりするくらい簡素な手続きで特定者を差別することなく全員に10万円配るといったんです。これは高速道路一律1,000円制度や、(創設時の)子ども手当以来のことじゃないでしょうか。制度の組み上げ方は実務者の問題で、号令自体はかなり画期的だと僕は考えます。
(多分出てった分はあとで何らかの形で回収に回るとは思いますが。)

じゃあなんで批判が多いの?

制度が画期的なのに批判が多いのはなぜか。それは法案策定した政治家、実務を担った官僚、発信したマスコミが正しく主旨を理解していない。もっと言えば意図的に婉曲していることにあるのだと考えます。
何度も書いている通り、政府の公式発表でもこの給付は家計の支援としています。経済活性化とか格差是正とか一言も書いていません。なのにそんな議論を持ち込んでくるから話がややこしくなるんです。
ZOZO○OWNやソフト○ンクの社長に10万円配らなかったら自分との経済格差は埋まりますか。そもそも高額所得者は受け取ったお金は自分で払った税金が一部戻ってきたと考えるだけで、ぶっちゃけ10万円程度、どうでもいいと思っています。もっと言えば二本の高額所得者と呼ばれる全体の5%、そこらへんの人たちに仮に配らない制度を作ったとしても自分の10万円は1円だって増えません。むしろ制度がややこしくなることで受給が遅れる分、時は金なりという観点から言えば自分にとって不利益にしか働きません。

要するに貰えるお金に他人がとやかく言うことじゃない

結局この一言に尽きます。
もう既にある決定的な経済的格差から、普段の収入に上乗せされる10万円は結果的に確実に家計の支援に回ります。この時点で金額の多少は別にして制度主旨は達成していることになります。生活に困る人は10万円分助かることになります。
年所得1億円の人はどのみち4,500万円は所得税で持っていかれます。住民税を考慮すればもっと取られます。こんな人達は所得が1億10万円になっても1億円のままでもあんまり生活は変わりません。
これは10万円をお金持ちがもらう事の是非ではなく、経済格差の是非が論点で全くの別問題と捉えるべきでしょう。
今回の10万円給付がなんで『一律』なのか、と憤る人はまず、なんでお金持ちと自分の受け取る額が同じ10万円なのかではなく、なんでそもそも自分とお金持ちの所得にこんなに開きがあるのかと考えれば、問題点ややるべきことも違って見えてくるかもしれません。