パチンコ店自粛とその奥にあるもの その1

今回は最近急によく聞くようになったパチンコ店問題について。
新型コロナウイルス感染防止による外出や営業自粛が騒がれるようになり、ついに緊急事態宣言が発布、当初GW明けまでとされていた自粛は大方の予想通り1ヶ月延長、我慢してきた国民のストレスは他府県ナンバーの車というだけで迫害したり、コロナウイルスの最前線で戦う医療関係者に対する迫害に及んだりという痛ましい問題を惹起しています。

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個人的にそんなお話とはちょっと毛色が違うと考えるのがパチンコ店自粛是非に関する問題、今回はその点について考察していきます。

パチンコ店営業問題

皆さんも御存知の通り、人の流れを文字通り止めてしまいました。飲食店やショッピング、あらゆる娯楽サービスから勿論公営ギャンブルも。そしてパチンコ店。
この中で、生活必需と呼ばれる生活用品店、食料品店、そして線引がよくわからないですが、生活必需品にカテゴライズされた服飾品取り扱い店のみが営業自粛要請の対象外とされ、それ以外は休業または営業時間の短縮を要請されました。

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それに従わないパチンコ店が一部で営業を続け、要請というお願いにも関わらず店舗名を公表するなどの晒し者措置をとられたりといういざこざを経て休業したり、GWが明けて営業を再開したりという一連の悶着が起こっているのが一連のパチンコ店営業問題です。

パチンコ店の法律区分は曖昧そのもの

そもそも、パチンコ店はなぜそこまで特別扱いを受けるのでしょうか。
今でこそ、このご時世に営業するパチンコ店=悪という報道がなされ、出入りするお客さんは馬鹿のように扱われていますが、これって緊急事態宣言の前から考えなくても分かる話ですよね。

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密閉、密着、密室が3密と言われますが、昔より店は綺麗になり換気空調設備も整ってきたとはいえ、それでも店内は3密を十分に満たした施設と言えます。
今回の営業自粛の話ではまず飲食店が目の敵にされ、次に接待を伴う飲食店という何故か無駄にオブラートに包んだ言い方をされる、平たく言えば風俗店、そしてだいぶ遅れてパチンコ屋が急に叩かれるようになりました。
これは緊急事態宣言を受けた影響というものが大きく関わってくるわけですが、なにか違和感を感じた人も多いはず。

クラスター感染(集団感染)を引き起こすという意味で危険度を考えれば

風俗店>パチンコ店≧飲食店

といったところでしょうか。飲食店と言ってもその形態は様々なものの、今回はそこら辺は『感染リスクが0でない』という観点で統一します。
であれば、パチンコ店はもっと早く自粛対象に含まれるように扱われても良いはずですが、最後まで議題に上がり、そして東京都などがお願いする形でやっと自粛対象に含まれるようになったというのが今回の流れです。
これは、パチンコ店の法律上の立ち位置の曖昧さにあります。

パチンコはギャンブルじゃない

そもそもパチンコはギャンブルじゃありません。誰の目にも明らかなギャンブルなんですが、日本において公営ギャンブル、つまり賭博として認めているものは競馬・競輪・競艇オートレースそして宝くじです。中央競馬地方競馬もこの中にカテゴライズされます。一つ足りません、そうパチンコ・パチスロはギャンブルに含まれていないんです。

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パチンコ・パチスロはギャンブルじゃなく遊戯、つまりお遊びなのです。イメージ的にはゲームセンターのメダルゲームとクレーンゲームをかけ合わせたものといったところでしょうか。

遊戯なのに換金できる三店方式

三店方式』という言葉は結構有名ですが改めて解説。
パチンコ店側は貸し出した玉・メダルを景品に交換します。この時点で交換した景品に価値はない、もっともらしい謎の物品をお客さん側は手に入れます。
するとこの謎の物品を一定価値で買い取ってくれるパチンコ店とは全く別のお店が近所にたまたま存在し、お客さんが手にした謎の物品はお金へと変わります。故にお客さんはお店から貰った景品をお金に交換することが出来るというわけです。
※3店という名前はパチンコ屋と景品交換所の間に景品の卸屋さんが介在するため、三店方式という名前で呼ばれます。

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古くは戦後、パチンコ店は当時貴重品とされたタバコを換金性の高い景品としてお客さんに渡していて、これを路上で買い取る人が出回ったのが始まりとされています。
この買取人の役目を暴力団が利ざやを稼ぐシノギとして活用するようになりました。
これが問題視され、紆余曲折を経て現在の形式に落ち着いたという経緯があります。

グレーゾーンのまま現在にあり続けるパチンコ屋

暴力団絡みのグレーゾーンがある一方、庶民の娯楽として定着したパチンコを禁止するわけにもいかないという歪み、文字通りグレーゾーンの部分で曖昧なまま置かれてきたのがパチンコ屋さんと言えます。
この一応風営法管轄にあるものの、いまいちカテゴライズする業種がないパチンコ屋さんは何かにつけて、扱いに困るというのがパチンコ屋さんを取り巻く現状です。表の意味合いとしても国民から巡り巡ってパチンコ屋さんの売上に税金を掛ければ合法的に税収を確保できるわけで、根絶やしにも出来ないのでしょう。
様々な人の思惑や利権が取り巻く中で、いい意味で特別扱い、悪い意味で放置されてきた為、こういった未曾有の事態ではどう扱ったら良いのか正直わからないというのがこの規制等が後手に回ったそもそもの原因と言えます。

お店側が営業し続けるのはなぜか

では次にそんな曖昧な立場を逆に利用してはいるものの、なぜ店舗名を晒し者にされるなど、通常で考えれば訴えれるレベルの仕打ちを受けてもなお頑なに営業し続けようとするのか。無論それは儲かるからにほかなりません。

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飲食店でも小売店でもなんでもそうですが、お店を開けていなければ売上はゼロ、だから固定費の為に、生活の為には批判を受けようがお店を開けざるを得ないという理屈は成り立ちます。
ただ、それは多分商売なら全部同じことでしょう。ですが、パチンコ店に関してはそこら辺の事情が他の産業とは決定的に違います。
普通の飲食店を考えるとお店を開けても普通に考えればお客さんは来ません。来ないと言って言い過ぎなら客足の減少は免れません。土台人が出歩いていませんから。
でもロス覚悟で食材を仕入れないとお店を開けていても提供できるものがない。
対するパチンコ店に仕入れはありません、厳密に言うと新台などを投入する分のお金はかかるので、そういうわけにもいかないのですが、少なくとも数日で腐ったりはしません。そういった意味ではパチンコ店はお客さんさえ来るなら開けていれば儲かるんです。逆にこの先行して発生するコストを償却するために、強引と自分たちでもわかっていながら営業を続けるというわけです。

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この開けていれば儲かるパチンコ屋さんはその分経営に莫大なコストが毎月発生する事も承知の上で営業しています。つまり、開けていれば儲かるけど、閉めれば儲からないどころか、潰れてしまうに直結するという一面もあって、これは構造的にお客さんも含めたところでもっともっと深い問題があります。

筆置き

長くなってきたので、今回は一旦ここらへんで締めです。
マスコミは生活上、パチンコ屋が無理やり営業し続けることへの理解を求める意見も聞きます。
が、僕個人としてはパチンコ屋さんが営業するのはやむを得ないとは思いません。これは他の業種にも言えることで、1ヶ月~2ヶ月の営業休止は確かに大打撃ですが、それは他のどんな業種でも共通するお話です。冷たいようですが店舗運営において1ヶ月~2ヶ月の不測の事態に備えることが出来ないような収益構造はそもそも問題がある、言い過ぎた言葉で自転車操業といって良いでしょう。
次回はパチンコ屋さんの収益構造の何が問題なのかを掘り下げて解説していきます。