いまさら聞けないNISA講座『賢く使ってお得に儲けよう』

今回はNISAについて掘り下げていきます。
導入当初こそ騒がれた、と言うより投資減税撤廃への批判を回避する為かマスコミがこぞって素晴らしい制度かのようにもてはやしたNISAですが、最近はすっかり鳴りを潜めてしまいました、これは浸透と言うべきか制度が使えないというべきか、とりあえず勉強してみないとそこら辺の判断も付かないという事で、頑張って調べてみました。

NISAって何?

アメリカ航空宇宙局の略です。

いうと思った( ゚Д゚)

2014年から個人投資の拡大などを目的として創設された制度です。当初は割と証券会社CMなどを中心によく耳に聞こえた言葉ですが、創設からはや6年目に突入。
NISAって何?
社会的立場のある方ならなおの事、今さら聞けません・・・。なんて人の為に、NISAについてご解説。
さて、NISAとは端的にいえば

『投資で儲かっても税金かからないよ』

制度です。
通常、上場株式の譲渡、配当、投資信託などは全て利益に対し所得税が課税されます。
(FXなどの特殊な金融商品を除きます。専門用語では、金融商品取引法で規定する各種金融商品が対象。)
税率は一律で20.315%(所得税15.315%、住民税5%)。
例えば100,000円で購入した株を120,000円で売却した場合の税額は(取引手数料などは除外します。)
(120,000円-100,000円)×20.315%=4,063円の所得税が課せられる(源泉徴収される)事になりますが、NISAによる取引では、この税金がなんと0円。

ただほど高いものはないんやで?

なんて、訝しむ方も多いかと思いますが、ちゃんとルールに則って売買を行えば本当に税金はかかりません。
ただし、国の制度なので当然面倒くさいしっかりとした手順を踏んで、予め備える必要がありますので、NISAを使うにはどうすれば良いかを次章から解説していきます。

NISA口座とNISA枠、ジュニアNISAについて

NISA枠とは

NISAは各個人毎、一年間に120万円という『NISA枠』を使用して、その枠内で取引を行う限りは利益課税を行わないという制度です。
この枠はNISA枠または『非課税投資枠』などと表記されることが多いのですが、本書では『NISA枠』で呼称統一します。
この120万円というのは『取得価額』をベースに考え、非課税利益の上限はなし、つまりNISA枠内で購入した株式や配当で幾ら儲けても全て税金はかかりません。ただし、その枠は一年間に一度きり、つまり同じ銘柄でも複数回取引を重ねていけばNISA枠をどんどん消費する事となります。
例① 取得価額120万円の株を200万円で売却 ⇒ 80万円が非課税〇
例② 取得価額20万円の株を21万円で売却。これを7回続けた。 ⇒ 7回目から課税×
NISAというのは証券口座の中で『NISA口座』を新規に設け、このNISA口座を使う事を選択する事で適用されます。その適用上限枠は各個人につき120万円が1年ごとに与えられ、これを最大限活用すると、5年累計で最大600万円分の株式等をNISA口座で購入する事が可能となる訳です。(NISA枠未使用による翌年持越しは不可。)

NISA口座とNISA以外の口座(一般口座/特定口座)

NISA唯一にして最大の弱点とされるのが、この口座別管理制度です。NISA口座とNISA以外の口座は同じ証券会社であってもその取扱いは全く別の口座として取扱いがなされる事となります。口座間の移動(NISA口座で保有している株をNISA以外の口座へ、またはその逆)は勿論、通例可能な株式譲渡損と譲渡益の損益通算及び繰越控除、株式配当との損益通算も適用する事が出来ない為、最悪のケースとしてはNISA枠で購入した株で損失を被ったのに何も考慮されず、特定口座で得た利益について満額税金を課せられるというケースも考えられなくはないという事です。
制度主旨として短期トレードではなく、5年内という中期における資産運用を想定した制度である事から、短期的な損ではなく中長期で確実な利益創出を見据えて利用するのが、正しい使い方であるという事なのでしょう。

ジュニアNISA口座

『未成年者少額投資非課税制度』と言います。長いので、未成年用NISAと読み替えて差支えありません。
NISAとの違いは、

・口座開設者名義が未成年者である事
(平成34年までは20歳未満、平成35年以降は18歳未満)
・NISA枠が80万円と若干少なめである事
・ジュニアNISA口座からの払出しは原則不可能である事

などが挙げられます。
ジュニアNISA口座からの払い出しは口座名義者が18歳(3月31日時点で18歳となる年の前年12月31日まで)になるまで原則不可、払い出しする場合はNISAの適用がなされないので、通常の株式譲渡と同様利益課税されてしまいます。ただし、災害等やむを得ない場合にのみ、税務署への事前確認を以て払い出しが可能。
持ち越し期間に関する規定は従来のNISA同様5年間とされており、5年を超える場合は翌年以降のジュニアNISA枠に付け替える、もしくは通常の未成年口座へ振り替える事となります。

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また、ジュニアNISAは通常のNISA開設を前提とした制度で、ジュニアNISA口座開設者が20歳になった時点で、自動的にNISA口座が開設される事となり、ジュニアNISA口座⇒NISA口座への振替がなされます。

NISAと類似商品など

NISAは長期資産運用を前提とした制度である為、ここでは混同しやすい他の商品との相違点などを記載していきます。

iDeCo(イデコ)とNISAで積立

イデコとは個人型確定拠出年金という、制度上は国民年金や厚生年金などに類する年金制度の一種で、運用に適用される制度であるNISAとは全く性質が異なります。
金保険の1種として扱われるイデコは『社会保険料控除』として所得税計算上税金を安くしてくれる性質がありますが、制度上、加入後の中途解約はできません。一方、投資の一方式である積立NISAに拠出した金額は運用益(確定益)が非課税となるのみで、所得控除など本人所得の計算上、恩恵は全くありませんが、任意での解約等が可能です。

www.aoimen.net

投資信託と積立NISA

投資信託金融商品の一種であり、投資を信託会社に信託する事を指します。NISAとの相違点というより、NISA運用の一手段という位置づけになります。ウェルスナビ、THEOなどのロボアドバイザー系の資産運用サービスも同様、運用の差配者が投資のプロからAIに変わるだけのお話です。
×NISAと投資信託どっちがお得?
〇NISAを利用して投資信託を運用するのはお得?
というのが正しい日本語です。

NISAを使ってみよう

高利回り配当株を買ってみよう

NISAはキャピタルゲイン、つまり株式譲渡時の時価差分利益に焦点が当てられがちですが、NISA枠内で購入した株や投資信託の配当益についても適用されます。
その為、国内株で配当利回りが高い株に焦点を当てて、保有し続ければ保有期間最大5年間に受ける配当については全て非課税で受け取る事が出来ます。
例えば、配当利回りが年4%の株式を120万円分保有すれば
120万円×4%=48万円、5年間保有し続ければ配当金約24万円分が非課税、保有株式を毎年120万円ずつ購入し、600万円で運用すれば24万円×5枠=120万円の配当金が非課税で受け取れることとなります。

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もちろん保有期間中の時価評価減のリスクはありますので、株式銘柄の選定は慎重に行う必要があるものの、長期保有によるキャピタルゲインにも恵まれれば、定期預金の何百倍もの配当を毎年受け取ったうえで、元本を上乗せ、しかも利益は全て非課税と夢のような展開に恵まれる可能性もあります。
なお、この場合確定申告も必要ありません

NISA期間満了時には

NISA口座での取引は特定・一般口座へ振り替える事が出来ません。従って、中・長期運用を目的として株式等を保有する上で5年を経過してしまうケースも考えられますが、この場合の選択肢は二つです。

投資枠の付け替え(ロールオーバー

簡単に言えば6年目のNISA枠に付け替える選択です。
例)100万円で購入した株式が120万円になっていた。
 a.NISA枠を120万円使用します。
 b.取得価額は付け替え時の時価(この場合120万円)になります。
 c.付け替えの金額に上限はありません。(付け替え時の時価が120万円以上であっても6年目のNISA枠を使用して付け替える事が可能です。ただし、付け替え年のNISA枠は120万円分全て使い切る事になります。
最も特徴的な点はc.と言えるでしょう。
100万円で購入した株が5年満了時に150万円、付け替えた後さらに値上がりし180万円で売却したとします。
その場合、通常の口座で取引していれば利益にかかる税金は
(180万円-100万円)×20.315%=162,520円ですが、これが全て非課税、売却までに受けた当該株式からの配当金も全て非課税になります。
理想的な展開としては、5年間高配当を受けた上、NISA枠を超える含み益が発生していたら、その値上がり益とその更に5年間で発生した値上がり益も含めて全て非課税、そんな夢のような展開すら可能になります。
尚、ロールオーバーが可能なのは一回のみ、つまり一つの取引における非課税期間は最大10年間です。

特定口座(一般口座)への振替

NISA枠で保有していた株式をNISA以外の口座へ移管する選択です。
 a.取得価格は移管時の時価(この場合150万円)になります。
 b.NISA枠に影響はありません。
 c.損益通算対象は、NISA以外の口座へ移した後の価格を基準にしか計算されません。
換言すれば、NISA期間満了時に一度株式を売却し、改めて同額で株式をNISA以外の口座で買い直すのと全く同じ意味を持ちます。
間違えやすい点としては良くも悪くも課税にかかる取得価格がNISA以外の口座に移した時点の価格に付け代わる為、以下のケースでは損失が生じているのに税金が発生するケースも考えられるので注意が必要です。
100万円で購入していた株が5年満了時に80万円、その後90万円に株価が持ち直した場合
(90万円-80万円)×20.315%=20,315円と、トータルでは損失が生じているのに税金はしっかりと徴収されてしまうという不思議な状況になります。

つみたてNISA

NISA枠を利用して毎月・毎年、株式や投資信託を定期定額購入していこうというのがつみたてNISAです。
自分で定期定額購入するのと何が違うの?
という疑問が生じるかと思いますが、制度自体がまず違います。
上限額が低い代わりに、非課税期間が最大20年間、累計で最大800万円までを非課税の枠内で運用する事が可能で、NISA本来の目的『長期資産運用』と『貯蓄』がハイブリッドされたものになっています。

IPO株の購入について

IPOというのはご存知でしょうか、だいぶ知名度も上がってきた所謂新規上場株です。
証券会社を通して一般人が購入できるのは上場株式、つまり一般の売買に時価や購入の窓口が公開されている株で、対義語としては未公開株がそれに当たります。
詳しい説明は割愛しますが、購入に応募して抽選に当たれば保有口座を指定することができ、その際にNISA口座を指定すれば差分利益が全て非課税。
銘柄にもよりますが、上場寄り付きで売却してしまえば一日で取得価額の2,3倍に跳ねることはざらにあるので、個人的なNISAの使い道としては最もおすすめ。
唯一のデメリットは、値上がりが期待できる銘柄の当選率は極端に低く、宝くじのような気分で構えなければいけないので、使いきれずに終わってしまう危険性もあるので、NISA口座を開設する証券会社選びが重要になってきます。

IPOにお勧めの証券会社

SBI証券

NISA用口座開設ならまずSBI証券が挙げられます。
おすすめのポイントは以下。
 ①IPO取扱件数が多い
 ②IPO申込時点では資金拘束されない
 ③IPO申込で外れても『IPOチャレンジポイント』が貯まる
特に③が秀逸です。IPOは毎年毎年上場する銘柄の都度発生しますが、SBIの豊富な取扱件数に申し込み、申し込む都度残念ながらよく外すことになります。というかほぼ当たりません。
ただ、外れた件数に従ってIPOチャレンジポイントというのが付与されます。
このポイントはIPO申し込み時に使用を申告するもので、使用すればIPO当選確率を上げる(おそらく使用者の使用するポイント数に応じて優先的にIPO当選枠を割り振る方式だと思いますが、以前問合せした際にはそこら辺は開示できませんとのことでした。)為、ポイントを蓄積しておくことでいつか当選することができるという正に『ちりも積もれば山となる』を体現した制度といえるでしょう。

まとめ

今回はこれで以上です。
NISAは2014年に導入され、幾度かの制度見直しがありました。
・投資枠が100万円⇒120万円に増枠(2016年1月より)
・ジュニアNISAの開設が可能に(2016年4月より)
ロールオーバーの適用上限額120万円の撤廃(2018年1月より)
・つみたてNISAの創設(2018年1月より)
・海外転勤等(5年内)一時出国時、事前届出によりNISA口座の継続保有が可能に(2019年4月より)
当初何かと使いづらい印象の強かったNISAですが、新たな制度開設や改正によって、より実運用に即した制度に変更されたという印象があります。
他方、本制度は時限立法であり投資枠付与は2023年まで、と利用できる年に限りがある制度でもある事から、正しく理解して期間めいっぱい制度メリットを享受するのが賢い立ち回り方と言えるでしょう。
制度理解の一助となれば幸いです。